「大学・短大全入時代が到来する」というのは、もはや常識になりつつあります。全入時代とは、「大学・短大の入学定員≧大学・短大志願者」になることです。つまり、大学・短大入学希望者が、進学先を考慮しなければ、全員が必ずどこかの大学・短大に入学できることを意味しています。日本中を探せば、必ず入れる大学・短大があるという意味です。
しかし、全入のような状況は、現実には起こりえません。東大、早稲田大などの人気大学や医師になるための医学部医学科に、浪人しても進学したい受験生はたくさんいるからです。浪人生が生まれた分、定員が埋まらない大学・短大が出てくることになります。その割合が高い学校では、淘汰されることに結びつきます。日本私立学校振興・共済事業団の調査によると、09年の定員割れの私立大は、265校、全体の46.5%、短大は246校、69.1%でした。国公立大の昼間部では国立大はゼロで、公立大で2校が定員割れに過ぎません。今年から5大学が学生募集を停止します。
こうなった大きな理由が少子化です。表1を見てください。受験生数がもっとも多かったのは92年です。その後、18歳人口は減少の一途をたどっています。
92年当時の受験生数は、約121.5万人で、入学者数が79.6万人。受験生の3人に1人、42万人近くが、大学・短大に入学を希望しながら入学できなかったことになります。大変な激戦入試でした。
それが09年には、受験生数が約73.6万人で、92年の入学者より少なくなっています。一方、入学者数は68.2万人で、進学を希望しながら入学できなかった人はわずか5.4万人です。大学・短大に進学を希望しながら入学できなかった人は、およそ13人に1人と激減しているのです。
それだけ、大学には入りやすい状況であることがお分かりいただけるでしょう。この結果、入試では「大学の二極化」が進んでいます。どういうことかといいますと、やがて、「入試を実施しても全員合格に近いため、試験を実施する意味があまりない大学」と、「厳しい入試が展開される難関大学」との二極に分かれていくということです。
大学通信では毎日新聞社の協力のもと、昨年7月に高校の進路指導教諭に、アンケート調査を実施しました。600校から回答がありましたが、その中で「大学の二極化が進んでいると思われますが、私立大の場合、分岐点はどこになると思われますか?」と聞きました。その結果が表2です。「55前後」との回答が最も多く35.4%、「53以上」との回答は、集計しますとおよそ7割になります。厳しい入試となるのは、これから限られた大学になっていくことは間違いないでしょう。











