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6年一貫教育を目指し、
教養教育と学生の国際化に取り組む
井上明久(いのうえ・あきひさ)総長

杜の都仙台に100年余の歴史を刻む東北大学は、井上明久総長のもと、総合評価で世界のトップ30位以内を目指すという、極めて具体的な目標を掲げて、大胆な大学改革を展開しています。総長就任直後に発表した「井上プラン(1)」の指針に沿い、教養教育カリキュラムの再編成、学部・大学院(修士課程)の6年一貫教育の導入、学部での海外研修プログラムの導入、大学院での飛び級制度の導入、英語の共通言語化などの改革が進んでいます。来年度からは、これまで大学院のみに設置されていた英語コースが学部にも誕生し、大学の国際化が一層進みます。

研究第一  門戸開放  実学尊重

東北大学は「研究第一」「門戸開放」「実学尊重」を伝統とし、1907年の創立当初から多様な学生を受け入れてきました。1913年には女子学生を入学させ、わが国で初めて男女共学を実現させています。その伝統は今も息吹き、国内では東北地方以外からの学生が半数を超え、約1,300人の外国人留学生が学び、約1,600人の外国人研究者が在籍する、全国区の国際的な大学となっています。

入学後「伸ばしてくれる」大学No.1
教育力、研究力でも屈指の評価

近年、東北大学の評価は鰻上りです。サンデー毎日と大学通信が今年7月、全国2000進学校の進路指導教諭を対象に実施した『受験生の大学選びに関するアンケート』調査(有効回答600校)では、「入学後、生徒を伸ばしてくれる」部門で全国1位、「面倒見がよい」では同2位の評価を受けています。ほかにも、「教育力が高い」「研究力が高い」でともに3位にランクされるなど、全国でも屈指の評価を得ています。

さらに、英国タイムズ紙による世界大学ランキング2008では、112位にランクされトップ100は目前。国内で5番目の評価を得ました。また、グローバルCOEプログラムには12の拠点(2)が採択されています。

「井上プラン」で
教育改革を断行

井上総長は就任した2007年に「井上プラン(東北大学アクションプラン)」を発表し、「10年以内に総合評価で世界のトップ30を果たす」と極めて具体的な目標を公表しました。キーワードは「挑戦」「創造」「革新」の3つです。「世界トップレベルの大学を目指す」大学は数多くありますが、達成できなかったときの責任が問われるため、具体的な数字を目標に掲げるのは極めてまれです。トップ30という数字には、東北大学の「本気」と「自信」がにじみ出ているといえます。

「井上プラン」の教育部門では、教養教育と大学院教育の充実を宣言しています。これまで、1年半の教養教育と2年半の専門基礎教育を標準の教育モデルとしていましたが、学部・大学院(修士課程)6年一貫の教育モデルを設計し、1年半だった教養教育を6年間で2年分とし、充実させる計画です。

学生が必要を感じたときに
教養教育を受けられる仕組み

井上総長は「教養教育は大学の教育の根幹」と力説します。「学生の人間力を高め、専門教育の基礎を確立するために必要不可欠であるばかりではなく、異分野融合研究を創造していくためにも重要です。

高校の延長というイメージを払拭し、レベルアップを体得できるようなカリキュラムの再構築を断行します」

大学院生も教養教育が受けられるように、高度な教養教育カリキュラムも設置します。

教養教育充実の一環として、世界を舞台に活躍する人材を育てるため、学部生の海外研修プログラム(3)を導入しました。長期休暇を利用して、アメリカ、オーストラリアで学びます。また、学部1,2年生に海外経験を積ませるプログラムも検討中です。

研究のジャンプアップには
複眼的多角的な発想

大学院では、柔軟な制度運用で、成績優秀者をより早く第一線の研究現場に送り込む試みが進められています。学部から大学院への飛び級や、博士前期課程と後期課程の期間短縮修了制度を利用し、通常前期2年後期3年の課程を、3年~4年で修了します。昨年度は、12人の学生が3年生以上から大学院(工学研究科)に飛び級。63人の大学院生が短縮修了制度を利用しました。

また、ダブルディグリー制度の充実にも取り組んでいます。2006年には、理学部・理学研究科と工学部・工学研究科で、海外の大学と提携し、修士課程の学生を対象に、ダブルディグリープログラム(4)をスタートさせました。提携校とのダブルディグリーに加え、東北大学の大学院独自の制度も検討しています。主専攻と副専攻を学ぶことで、2つの分野での修士号を得られる制度です。

井上総長は語ります。「研究にはジャンプアップが不可欠で、そのためには複眼的多角的な発想が必要です。また、複眼的な発想はどのような仕事に就いても有用です。教養教育を重視するのも、ダブルディグリー制度を導入するのも、そうした人材を育成することが狙いです」

「卒業までに、グローバルに
活躍する人材に育てる」

「前向きで、積極的に挑戦していく学生」これが、井上総長の望む学生像です。そのような人材には「伸びる力」が備わっていると力説する井上総長は、東北大学の魅力を次のように語っています。

「東北大学では2,800人の教員があらゆる分野の研究をしています。志さえあればすべてが叶うのが総合大学の強みで、しかも、それが自然に囲まれた、ゆったりとした環境の中にあるのが東北大学の魅力です。入学したときの成績が多少よくなくても、卒業するまでには、他の大学に負けない、グローバルに活躍できる人材に育てることを約束します」

 

 

 

 

 

 

 

世界トップ30を目指す。高校からの評価No.1。英語の共通言語化。
大学院で飛び級、ダブルディグリー制を導入。
「井上プラン」教育部門の行動計画概念図
(1)井上プラン.(東北大学アクションプラン) 2007年に公表。「世界リーディング・ユニバーシティに向けて」との副題で、教育、研究、社会貢献、キャンパス環境、組織・経営の5つの柱ごとに具体的な行動計画を示している。
(2)グローバルCOEプログラム 「脳神経科学を社会へ還流する教育研究拠点」(脳神経科学)、「情報エレクトロニクスシステム教育研究拠点」(電気・電子工学)、「グローバル時代の男女共同参画と多文化共生」(法学・政治学)、「環境激変への生態系適応に向けた教育研究」(環境学)など合計12拠点が採択されている。採択件数は、東大(17件)、京大(13件)に次ぎ3位。
(3)海外研修プログラム  スタディーアブロードプログラムは、春休みにオーストラリアのシドニー大学で、本格的集中英語講座、講義聴講、現地学生との交流、フィールドトリップなどに参加。シリコンバレー短期研修プログラムは、夏休みに、アメリカのカリフォルニア大学バークレー校での講義聴講、サンフランシスコ周辺企業訪問、現地学生との交流などに参加する。
(4)ダブルディグリープログラム 海外の提携校に留学し、留学先と東北大学の双方の修士号を取得するプログラム。提携校は、フランスの国立中央理科工科校グループと国立応用科学院リヨン校、中国の清華大学で、いずれも両国を代表するエリート校。詳細は留学先により異なるが、フランスには約2年間、中国には約1年半滞在し、帰国後東北大学大学院で約1年間学ぶ。
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