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世界最高の理工系総合大学を目指し、
「知・技・志・和の理工人」の養成に取り組む
伊賀健一(いが・けんいち)学長

東京工業大学は「世界最高の理工系総合大学」を目標に掲げています。その教育目標は「知・技・志・和の理工人」の養成です。基礎学力を身につけ、創造性豊かで、人々から信頼される国際的理工系人材を養成するため、学部では創造性涵養、早期専門教育、教養教育、英語教育などに力を注ぎ、特色あるカリキュラムを設計しています。大学院では、中国・清華大学との合同プログラムや4年間で博士号を取得する博士一貫教育プログラム、英語だけで学ぶ国際大学院プログラムなどを設置し、世界トップレベルの教育に取り組んでいます。伊賀健一学長は「東工大はチャレンジ精神と実行力のある人を求めます」と、呼びかけています。

東京工業大学は、日本を代表する理工系大学です。研究力に卓越し、グローバルCOEに9拠点が採択されています。世界的評価も高く、世界大学ランキング(2008年英国タイムズ)で61位にランクされ、国内4位の評価を受けました。国際化でもトップランナーで、留学生は全学生の1割強に及びます。また、学部・大学院を合わせ1万人の学生に対し教員の数が約1150人と多く、きめ細かな指導が行われ、進学率90%と大学院進学者が多いのも特色です。

専門科目と教養科目を同時に学ぶ
4年一貫のくさび形カリキュラム

2011年の創立130年を前に、伊賀健一学長は今春、教育目標に「時代を創る知・技・志・和の理工人の養成」を掲げました。伊賀学長は語ります。「知と技に高い志は当然ですが、それに『和』を加えました。理工系の人間は、とかく特定の条件の中では力を発揮しますが、独善的になりがちです。しかし、条件は変わるものですし、条件が変われば答えも変わります。つまり、絶対的な真理には到達していない、誰として悟りは開いていないのだということを自覚し、和を持って対立を克服できる人材が求められるのです」

学部では「最高の理工系基礎学力、幅広い教養、高い倫理観、環境への理解力と国際性の醸成、コミュニケーション力の育成」などを重視した教育を実施しています。教養科目と専門科目を融合的に学ぶ、くさび型の4年一貫の教育システムを展開し、「早期専門教育」を取り入れているのが学部教育の特色です。

なかでも特徴的なのが、創造性を育む「創造性育成科目(1)」です。製作や実験などの実習を基本とした科目で、「ものつくり」を通して「問題を発見し、アプローチを考え、解を出す」という学問の方法を身につけさせることも狙いです。東工大発祥の国際ロボコンなど各種のコンテストに参加する「ものつくり」の課外活動も盛んです。

時代を代表する知性による
全人教育

教養教育にも力を注いでいます。自然科学系の大学でありながら、東工大には宮城音弥、鶴見俊輔、江藤淳、川喜田二郎、永井道雄ら時代を代表する人文・社会科学の知性が教員として指導してきた歴史があり、哲学、文学、歴史、政治経済など人文社会系の教養科目も豊富です。

2006年には世界文明センター(2)を設立し、ロジャー・パルバース、橋爪大三郎(評論家)、猪瀬直樹(作家・東京都副知事)ら各界を代表する人々を講師とする、文明論や芸術論などの文明科目を提供しています。「これからのものつくりには、芸術や文明への理解が不可欠」(伊賀学長)との観点から、文明科目は必修科目の一翼となりました。

他大学で学ぶこともできます。「四大学連合(3)」に加え、慶應義塾大学(経済学部)や早稲田大学の授業を受講することも可能で、大学院には東京医科歯科大学、一橋大学などと連携した講義やコースがあります。

英語教育では4年間を通して、能力別に実用性と専門性の高い英語を学びます。また、交換留学、短期語学研修、各種奨学金を利用したプログラムなど、さまざまなチャンネルで海外留学を奨励・支援し、08年度は154人が海外に留学しました。

清華大学合同プログラム
博士一貫教育プログラム
国際大学院プログラム

大学院では「国際化」を目指した改革が進んでいます。その一つが、中国最高峰の清華大学との合同プログラムです。学生は2つの大学に在籍し、両大学で修士号や博士号を得るというプログラムで、中国で将来のリーダーとなる人々と人的ネットワークを作るのも狙いです。

博士一貫教育プログラムも導入しました。通常5年間の大学院修士・博士後期課程を4年で修了し、博士号を取得した人材を早期に社会に送り出すプログラムです。

2007年10月からは、すべての授業を英語で行う「国際大学院プログラム」もスタートしました。プログラムの学生以外でも授業の聴講ができるため、日本人学生の英語力向上も期待されています。学部での英語コースも設置に向け準備中です。

オープンコースウェア(OCW(4))にも積極的で、500近くの講座ノートが閲覧でき、予習復習に役立ちます。今後は、OCWを英語化する計画です。また、今春には、社会で活躍する技術者を対象とした社会人教育院(5)がスタートし、大学院レベルの講義と実習教育を提供しています。

「チャレンジ精神と
実行力のある学生を求める」

「自由と平等を重んじ、活気あふれる理工の雄」――。OBでもある伊賀学長は、東工大の姿をそう表現します。「東工大には伝統的に、学問において、学生と教員が率直に議論できる、何事にも束縛されない自由と、潜在能力をよき目的のために発揮できる平等の環境があり、理工の雄として、社会から信頼されてきました」

伊賀学長は、そうした伝統を受け継ぎ、新しいことに挑戦する実行力のある学生を求めています。

「エネルギー、環境、食糧、疾病など生命に直結する問題が一層深刻になることで、今後、世界の秩序は大きく変動していくでしょう。そうした中で、社会や地球の問題を解決する科学技術の力にさらなる期待がかかります。東工大は、のびのびと自由に自分の勉強ができる大学で、世界の問題に挑戦する高い志を持った学生を求めます」

 

 

 

 

 

 

 

世界ランク61位の実力。 ロボコンから生まれた創造性育成科目。
時代を代表する知性による全人教育の伝統。
東京工業大学の学部教育
(1)創造性育成科目 実習を基本とし、ものつくりの面白さを経験させる「基礎的創造性育成科目」、目標に対する達成度を競う「競争的創造性育成科目」、学生自身が目標を定め達成度を評価する「独創的創造性育成科目」からなる。
(2)世界文明センター 人文学院と芸術学院で構成され、21世紀の人類社会の文明を構想する研究、学部・大学院に向けた授業のほか、学内外に向けた講座や催し、情報発信などの活動を行う。
(3)四大学連合 東京工業大学、東京医科歯科大学、東京外国語大学、一橋大学の4大学が授業科目を提供し合い、他大学の学生の履修を認めるプログラム。「総合生命科学コース」「生活空間研究コース」「科学技術と知的財産コース」「技術と経営コース」「国際テクニカルライティングコース」等、複合領域のコースも用意されている。
(4)OCW(Open Course Ware)  東京工業大学の教育を世界の共有財産とするため、講義の要旨をTOKYO TECH OCW/OCW-iとしてWebサイト上に公開し、無償で提供している。現在、公開講義は472講座に及び、大学、大学院の各学部、研究科の講座の他、全学科目(教養科目)の歴史や経済、法学など文系科目も用意している。また、在学生が予習復習などに利用できるOCW-iもある。
http://www.ocw.titech.ac.jp/
(5)社会人教育院  技術経営(MOT)の実践的なノウハウの講義、高度な加工技術理論の教育と実習、理系の幅広い教養を高める“知の市場”などを開設し、プログラムの一部に対して、履修証明を発行する。
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