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「独立自尊」の精神を持ち、
変革の時代に活躍できるリーダーを養成する
清家篤(せいけ・あつし)塾長

社会科学系、人文系、理工系、医療系など10学部を擁する慶應義塾大学は、1858年の創立以来、多様な分野において社会の先導者たる数多くの人材を輩出してきました。08年には、日本の近代総合学塾として初の創立150年を迎え、「未来への先導」をテーマとして、「未来先導基金」の創設や「福澤諭吉記念文明塾」の開講などさまざまな取り組みが行われています。そして、基本となる教育、研究、医療においても、その質の維持と向上のための弛まぬ改革が続けられています。高齢化問題や経済構造の変化など、大変革の時代に活躍できる人材養成を行っているのです。

慶應義塾大学は、幕末(1858年)に福澤諭吉が23歳の若さで開いた蘭学塾として誕生しました。幕末から明治維新を経て近代国家へという大変革期を生きた福澤は、自らの判断と責任のもとで行動することを意味する「独立自尊」を建学の精神として掲げました。この精神は、150年を経て、高齢化問題や経済構造の変化などにより、大きな変革の波にさらされている現代を乗り切るための道筋を照らしているのです。

変革期に求められる自分の頭で
考えて行動できるリーダーの養成

慶應義塾大学は、大変革期にあってもぶれること無く、教育、研究、医療の質の維持・向上にむけた教育の質を高める取り組みを行っています。慶應義塾大学の取り組みのキーワードは「オリジナリティー」、言い換えれば「自分の頭で考える」です。現代のような変化の大きな時代には、従来の考え方や概念、制度の延長線上で問題の解決策を見つけることはできません。過去にとらわれず、自分自身で状況を正しく理解して、その理解に応じて解決策を見つけるということが重要になってきています。このような大変革の時代にあっては、知識を基にして、いかに自分の頭でものを考える能力を磨く教育ができるかが求められているのです。

清家篤塾長は、こう話します。「福澤諭吉は、幕末から明治維新を経て近代社会という、『一身にして二生を経る』つまり、一人の人間が二つの人生を経験するような大変な時代に生きました。そのとき拠りどころとしたのが『実学』でした。それは実証科学のことであり、サイヤンスとルビがふられていました。自分の頭で考えるということは、この実学の精神を持つということなのです」

実証科学のプロセスは、(1)まだだれも答えを見つけていない問題を見つけだす。(2)問題の因果関係に関する仮説を立てる。(3)仮説を実験や統計等を用いて検証し結論を導き出す。(4)結論を伝える。というように整理することができます。つまり、自分の頭で考えるということは、単なる勉強ではなく、分析をするということなのです。

このために慶應義塾大学で重視されているのが少人数のプロジェクト研究です。文科系学部は卒業論文、理科系学部では卒業研究がそれに相当します。充実したプロジェクト研究を通じて、3・4年次の2年間で自らの頭で考える力がしっかりと磨かれるのです。この卒業論文・研究のためのスキルを獲得するために有効なのが1・2年次の教養課程です。統計学や数学などの検証の方法を学ぶと同時に、問題発見のフィールドを大きくするために語学教育にも力を入れています。また、語学力を磨くことによって、研究から得られた結果をより多くの対象に向けて発信できるようになります。

 

 

 

 

 

「慶應義塾大学の建学の精神である『独立自尊』、これは、誰かに言われて何かをするのではなく、自分自身の考えに基づいて行動をし、他人の行動も尊重するということです。この実現のためには、学問によって事実を正しく認識し、それに基づいて判断することが重要です。つまり、『独立自尊』と『実学』は表裏一体の関係なのです」清家篤塾長は、そう話します。慶應義塾大学が養成を目指す人間像とは、「独立自尊」の精神を持ち、なおかつ自分の考えを相手に共感をもって伝えることができるコミュニケーション能力を持った人材なのです。

積極的な海外交流で
世界の教育・研究拠点となる

慶應義塾大学は、文部科学省による、海外からの留学生受け入れの国際化拠点の形成を目的とした、「平成21年度国際化拠点整備事業(グローバル30)」に採択されました。奨学資金や住居手当てなどの支援の充実により、これまで以上に多くの優秀な留学生を受け入れる予定です。

海外の大学との積極的な交流も行っており、単位互換や慶應義塾大学と留学先の学位を同時に取得可能な、ダブルディグリープログラムも充実しています。大学院理工学研究科はエコール・セントラル・インターグループ(仏)と、政策・メディア研究科は延世大学(韓国)と復旦大学(中国)、経営管理研究科はESSEC Business School(仏)とそれぞれ協定を結んでいます。

08年の学費体系の改定により、在籍基本料を納めていれば留学中の授業料を支払う必要はなくなりました。奨学金等を合わせて利用すれば、留学のための経済負担を軽減することができます。

奨学金制度も進化しています。09年から「慶應義塾創立150年記念奨学金」が新設されました。経済不況下でも学習に専念し、グローバルな学習機会に参加しやすくするための制度です。創立150年記念奨学金は経済支援型で、全学部の塾生800人程度を対象に年間総額2億円が給付されます。従来からある、年間総額1億8000万円で800人を対象とした育英型の「慶應義塾大学奨学金」とともに学内奨学金制度の二本柱となっています。

高校生らしい学校生活を送ってきた学生は
慶應義塾大学で伸びる

優れた人材育成のためのシステムが充実している慶應義塾大学ですが、どのような学生を求めているのでしょうか。清家篤塾長は言います。

「高校時代に幅広い勉強をしっかりとやり、スポーツやクラブ活動に積極的に参加して高校生活を十分エンジョイした人に来てほしいと思います。このような経験を持った学生は、大学に入ってからの伸びしろがとても大きいのです。知的好奇心に富み論理的に考えることが好きで、なおかつ高いコミュニケーション能力を持っていることが理想です。しかし、今はまだその能力に気付いていなくても構いません。慶應義塾大学はそのような若者の潜在能力を気付かせ、伸ばすことのできる大学なのです」

 

150年の年月を超えて脈々と受け継がれる「独立自尊」の精神により、
自らの頭で考えることができる、世界規模での活躍が期待される人材を養成する。
慶應義塾創立150年記念事業
(1)実学 一般的に言われる、実際に役立つ学問という意味だけではなく、「科学(サイヤンス)」をも意味する。知識を身につけるだけではなく、それを実際の行動に活用することが、慶應義塾の伝統である「実学の精神」である。実学とは、実証に基づく論理的・合理的な科学であり、日常生活はもとより、実社会で活躍するために役立つ学問を指している。
(2)独立自尊 長権力や社会の風潮に迎合せず、自己の判断および責任において行動する剛毅の心を持つこと。同時に、他人もまた独立した個人として尊重する柔和な心を持っていること。慶應義塾の教育の基本となっている。
(3)留学 国際性を志向する基本姿勢は創立以来の伝統である。派遣交換留学の申請が認められると、在籍期間が最長1年間、取得単位は学部生の場合、最大30単位(総合政策・環境情報学部は40単位、看護医療学部は60単位)まで卒業要件として認められることがあり、トータル4年間で卒業することも可能。教育と研究の両面で活発な交流が行われている派遣交換留学制度協定校・機関は、2009年1月現在、アメリカ、ドイツ、中国など24カ国103校に上る。派遣交換留学以外にも、学部・研究科独自の留学研修協定校への留学や、夏季・春季を利用した海外での短期研修制度などがある。
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