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新たな知の地平を創造する

2009年は創立130年の節目の年を迎える専修大学。かつて敵と味方として刃を交えた4人のサムライ(1)が、のちに同志となり、市民レベルで近代社会を支える人材を育成するべく設立した夜間2年制の「専修学校」がその始まりです。過酷な状況の下、彼らを支えたのは建学の精神「社会に対する報恩奉仕」でした。その精神を現代的に言い換えたのが「社会知性(Socio-Intelligence)開発」です。現代は、激動の明治時代に匹敵する精神と思想の大転換期にあるといっても過言ではありません。この時代に、主体性を持って問題を発見し解決していく「社会知性」を備えた人材を生み育てること、それが専修大学の21世紀における使命です。
4人のサムライの熱き思い
「社会に対する報恩奉仕」
生田校舎に建つ石碑に、このような言葉が刻まれています。
「建学の精神は社会に対する報恩奉仕であり、質実剛健 誠実力行は学風である」
1880年(明治13年)、5大法律学校(2)の先陣を切って、4人の元武士らは法律と経済を教える夜間2年制の「専修学校」を創立しました。特筆すべきは、日本で初めて、すべて日本語訳の教科書を用いたこと。「社会に対する報恩奉仕」の実践として、日本人に広くいち早く最新の学問を伝えるには、限られた人しか理解できない外国語ではなく、日本語でなくてはならない、という考えからでした。法律と経済を日本語で学べる日本初の学校だったのです。ちなみに、専門教育の充実のための大学院の設置も、国立大学に先んずるものでした。
そして今、4人のサムライの熱き思いを現代に照応させたのが、専修大学21世紀ビジョン「社会知性(Socio-Intelligence)の開発」です。
創立の原点に重なる
「社会知性の開発」
「社会知性」とは、「専門的な知識・技術とそれに基づく思考方法を核としながらも、深い人間理解と倫理観を持ち、地球的視野から独創的な発想により主体的に社会の諸課題に取り組んでいける能力のこと」を指しています。大学はそれを開発し、社会に有用な人間を育む重要な機関であるという位置づけです。
日髙義博学長は、「学問は社会との相互作用の中で形成されてきたのですから、失われつつある倫理や道徳、それに人生観なども含めて『社会知性』という新たな概念で積極的に再認識するということなのです」と説明します。
社会知性の開発には、問題解決能力だけでなく、情報処理、自己表現、コミュニケーション能力も必要となります。学問や知性を大学の中だけで磨いていくのではなく、社会との積極的な関わりの中で培っていくという、大きな視野で捉えられたビジョンである点が特徴といえるでしょう。
21世紀はまだ10年を数えたばかりですが、規制緩和と市場原理によってすでにさまざまな価値観が崩壊しつつあります。まさに創立の頃と重なる激動の時代です。「社会知性の開発」をもって人間性豊かな倫理観のある有為な人材を育成するという骨太のビジョンは、専門教育によってわが国の人的基盤を整備し、市民社会の屋台骨を支える人材を育成するという、4人のサムライの「熱き思い」、創立の原点に立ち返ることでもあるのです。
新たな「知」の拠点・生田10号館(130年記念館(3))の建設、学部・学科の再編・新設など、「社会知性の開発」のための具体策も次々と登場。2010年度には現行の文学部を大幅に再編し、日本語学科、日本文学文化学科、英語英米文学科、哲学科、歴史学科、環境地理学科、人文・ジャーナリズム学科の7学科体制に。グローバル化が進む現代社会にふさわしいカリキュラム内容に生まれ変わります。
一方で、文学部にあった心理学、社会学領域の学びを再編し、新たに人間科学部を開設。現代心理学の認知、生理、学習、発達、社会、臨床の各領域を偏りなく学習する心理学科と、社会と人間に関わるさまざまな社会現象の理解を目指す社会学科を設置します。
学生を基本に据えた
さまざまなサポート体制
専修大学では、社会知性の発信に向けて、カリキュラムはもちろん、多様な資格・採用試験対策講座の設置、キャリア支援、ITスキルや語学力向上に向けた教育等あらゆる角度から教育プログラムの充実を図っています。
これまでも「学生を基本に据えた大学づくり」を行ってきた専修大学ですが、学生をさまざまにサポートする努力そのものが専修大学の姿といっても過言ではありません。
一部(昼間部)、二部(夜間部)ともに実施している「スカラシップ入学試験」は、専修大学への入学意欲が高く、成績が優秀な人材を広く全国から募集して、積極的に勉学を奨励し支援するもので、支援内容は大変充実しています。
さらに、スカラシップ入試と全国入試(4)で同一学部学科を併願すると併願受験料を免除。進学意欲に応えます。
資格・採用試験を目指す学生には、資格予備校の講義を学内で受講できるビルトインスクール方式を採用。学外のスクールに通う費用と時間が大幅に軽減できます。
創立時は、教える者も学ぶ者もともに働きながらであったため、夜学でのスタートでした。当時に比べれば格段に豊かになったとはいえ、近年も、経済その他何らかの事情で大学入学を断念したり、大学を辞めざるを得なくなる人はなくなりません。2006年からは、再入学・復籍の願い出の期間制限を撤廃。再び学ぶ環境が整い次第、いつでも大学に戻ることができるようになりました。
その他、1年次からの導入教育や就職サポートなど、学生に対する支援は枚挙にいとまがないばかりか、全国型大学の強みを生かし、教学支援は卒業後も続きます。学問は4年間では終わりません。「社会知性」の発揮は卒業後こそが本番なのです。強く熱い絆はまさに「オール専修」の学風を反映するものといえるでしょう。
「130年の歴史と伝統は、この大変革期の揺るぎない支えです。学生には、創立者たちも抱いていた『社会に貢献することで自らを豊かにする』という実践の喜びを味わってほしいと、心から願っています」と、日髙学長は語っています。
「学生を4年間で『大化け』させることが、 私たちの課題なのです」

(2)5大法律学校 専修大学が創立された明治時代、東京では私立の法律学校が次々に誕生した。なかでも専修学校(専修大学)、東京法学社(法政大学)、明治法律学校(明治大学)、東京専門学校(早稲田大学)、英吉利法律学校(中央大学)は5大法律学校と呼ばれ、連合討論会などの交流も活発だった。
(3)130年記念館 創立130年記念事業の一環として、生田キャンパスに2007年春に完成した10号館校舎。「社会知性の開発」を支える新たな「知の発信」拠点である。地下1階、地上6階建て。大小合わせて33の教室と32のゼミ室があり、総席数は5445席。1階にアカデミーモールや情報コアゾーンなどを備える。なお、学生の語り草であった胸突きの急坂「生田の坂」は、この完成でエレベーターで上がれるようになり、思い出となった。
(4)全国入学試験 2010年度からは、全国入学試験を一部(昼間部)全学部・全学科で実施。会場も増え、北から札幌、仙台、新潟、金沢、郡山、長野、宇都宮、高崎、東京、神奈川、静岡、名古屋、大阪、広島、福岡、那覇の全国16会場での受験が可能に。
