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都市と地球環境の共生を求めて
新生「都市環境学科」スタート
ドライビング・シミュレータ装置

中央大学は2010年に創立125周年を迎えます。この節目の年に向け、理工学部では土木工学科の教育目標とカリキュラムを大幅に改編。09年4月に、「都市環境学科」として生まれ変わりました。高度に複雑化する現代都市を自然科学と社会科学の両面から捉え、デザインしていこうというものです。

伝統の白門主義(1)と「実地応用の素を養う」という創立の理念を受け継ぎながら、都市と環境に精通した人材を育成、豊かな地球環境を創出し、サステイナブルな社会の実現を目指す新たな試みが、今スタートしたのです。

豊かな地球環境の創造へ
新たな学問体系の構築

中央大学理工学部は1949年に創設された、60年に及ぶ歴史を持つ伝統ある学部です。なかでも土木工学科は、理工学部創設当初からある、町や道など国の礎となるハード部門を担う分野であり、数多くの人材を輩出してきました。

しかし、全地球的に環境問題が最重要課題となっている現代、「土木」に求められているのは、環境を損なわず、かつ高度な文明社会で好ましく生きたいという、難しいバランスを実現することです。この難問に立ち向かい、改めて「豊かな地球環境の創造」という学問体系の構築を目指すため、2009年4月より、理工学部土木工学科は「都市環境学科」に生まれ変わりました。

自然科学と社会科学を
融合した2つのコース

都市環境学は、人間社会を成立させる主要な基盤である都市の空間ストックと、それを支える自然環境と制度や組織などの仕組みを地球環境の視点から捉え、生活の質の持続的な向上を目指す学問です。先人たちが築き上げ、毎日の生活が営まれ、そして将来世代へと引き継がれていく都市・地域における自然・人工物、人間の関係(安心・安全、快適・利便)を支える技術、それを持続的にマネジメントするシステムを創生します。

このため、自然科学をベースにして、環境とバランスのとれた構造物をデザインできる人材の育成を担う「環境クリエイター」コースと、土木・建築・造園と社会科学の分野をトータルにマネジメントできる公共空間のプランナーやマネージャーの育成を担う「都市プランナー」コースの2つから構成されています。

個別担任制を導入
高度な知識の修得を支援

都市環境学科では、空間のデザインに不可欠な理論やスキルを磨く科目が充実しているほか、現場見学やインターンシップも豊富です。また、社会で活躍する旧・土木工学科の卒業生と連携した講義や演習を積極的に行っており、実践的で高度な知識や技術の修得をサポートする仕組みが特徴です。

さらに個別担任制を導入し、入学直後から学生と教員が密なコミュニケーションを取っています。なかでも「個別学習カルテ」は、4年間で学ぶ専門知識の修得状況を半年ごとに確認、共有するユニークなものです。

女性が活躍できる領域も増えましたが、中央大学には理系女性への支援体制「WISE(2)」を整備しているのをはじめ、FLP(学部横断教育プログラム)(3) も充実しています。また、都心部に位置する後楽園キャンバス周辺は神田川や玉川上水など、江戸時代からのサンプルも豊富で恵まれた教育・研究環境が整っています。

新しい都市環境を市民とともに創出し、豊かな文化、環境を次世代に続ける責任を果たす技術者を養成することを目指しています。具体的には、環境をデザイン・創生するエンジニア、政治・経済や地理歴史の知識と組み合わせて都市を計画する公務員などです。また、急速な都市化によりさまざまな環境問題の解決が求められているアジア諸国などでの活躍も期待されています。

高度な研究施設で
最先端の研究に挑む

都市環境学科には、他の大学や研究室では見られないような高度な研究施設を整備しています。

「計算力学研究室」では樫山和男教授のもと、バーチャルリアリティ装置を用いて種々の計算を行っています。さまざまな分野でデータの三次元化が進んでいますが、それらのデータの持つ三次元情報の詳細を視覚的に理解するために、このバーチャルリアリティ装置を用いて研究を行っているのです。特に都市環境に関わる数値シミュレーションの結果や三次元都市モデルのCAD/CGデータを可視化対象として、災害予測エキスパートシステムの構築や環境影響評価などを進めています。

山田正教授の「水理研究室」では、河川や湖の流れや洪水の防御対策、そして環境の創出についての研究に従事しています。特筆されるのが研究棟屋上に設置された関東一円を網羅できるドップラーレーダー。 このドップラーレーダーによってリアルタイムの降雨予測システムの開発を行っています。

姫野賢治教授の「道路研究室」には、ドライビング・シミュレータ装置が導入されています。トラックの運転席のような装置に座り、前面の大画面に映し出される道路を走行して種々のデータを収集します。こうして最も身近で重要な社会基盤施設ある道路や空港などを対象に、安全性や快適性を確保するために路面の平坦性やすべり抵抗性、さらには、舗装の材料特性がヒートアイランドや地球温暖化の抑制にどのように寄与するかなどの研究を行っています。

そのほかにも、「コンクリート研究室」や「交通計画研究室」「応用力学研究室」「土質研究室」「地盤環境研究室」「設計工学研究室」「都市システム研究室」「衛生工学研究室」「流体研究室」など、都市環境学を広くカバーする最先端の研究室があります。

都市環境学科では、目に見える都市の空間ストックのみならず、目に見えない、それらを支える自然環境や仕組みに関心を持つ好奇心あふれる学生に来てほしいと、受験生にエールを送っています。

 

ドップラーレーダー

 

「まず、現場に飛び出して自らの肌で感じること。
新しい都市づくりはそこから始まります」
都市環境をシミュレーションする、3次元のバーチャルリアリティ装置
(1)白門主義 批判精神を忘れないで、在野での自由な学問の気風、社会の正義・公正を実現しようという高い志、学問を求める万人に開かれた場とする、中央大学の学風を表す呼称。経営面を担当する「法人」と、研究教育面を担当する「教学」とを分権化したNPO的な社会派大学というユニークな在り方にも反映されている。
(2)WISE(理系女性支援) Women In Science and Engineering 中央大学における理系女性支援を企図した短・中期ビジョン「女性理工系スペシャリスト育成プラン」のキャンペーン・ワード。細やかな嗜好を大切にする女性にとって重要なのは、関心ある研究テーマに出会えるかどうか。中大理工学部は100を超える研究室を擁し、テーマの選択肢も多彩。その他、インターンシップや政策的支援などを通じて、理系女性を全面的にバックアップしている。
(3)FLP (学部横断教育プログラム) それぞれの所属学部で主専攻の課程を修めながら、各学部に設置されている授業科目を学部の枠を越えて有機的にリンクさせることで、学際的な視点から専門知識の修得と問題解決能力を高めることを目的とした学部横断教育プログラム。「環境」「ジャーナリズム」「国際協力」「スポーツ・健康科学」「地域・公共マネジメント」の5プログラムを開設。
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