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“英語の立教”を具現化する
全学必修の8人規模クラスを展開
大橋英五(おおはし・ひでいつ)総長

立教大学は、来年度から1クラス8人制の英語ディスカッションの授業を、全1年生に必修で実施します。少人数制は近年、多くの大学が重要課題としていますが、全学必修で8人規模クラスを実現するのは画期的なことだといえるでしょう。また、学生に社会での自分の役割について深く考える機会を提供するため、ボランティアや社会貢献を体験させる「サービスラーニング」の科目を創設する準備を推進。さらに、大学のさらなる国際化に向け、外国人留学生の受け入れと海外留学研修の拡大も計画中です。「英語の立教」と称され、英語教育とリベラルアーツ(教養教育)を伝統としてきた立教大学は、セカンドステージに向け大きな一歩を踏み出しました。

立教大学は1874(明治7)年に、聖書と英語を教授する私塾として創設された、135年に及ぶ伝統ある私立大学です。

「普遍的なる真理を探究し、私たちの世界、社会、隣人のために働くことのできる専門性に立つ教養人を育成する」ことを教育の理念とし、英語教育とリベラルアーツ(教養教育)をその伝統として育んできました。

文学部、経済学部、理学部、社会学部、法学部の5学部体制が続いていましたが、1998年の観光学部とコミュニティ福祉学部を皮切りに、経営学部、現代心理学部、異文化コミュニケーション学部(1)の5学部を相次ぎ新設。既存の学部にも時代のニーズに応える新学科を開設するなど、大学改革のトップランナーの一つとして、大きな変革を遂げています。

また、全学部の学生が履修する全学共通カリキュラムには、「立教科目(2)」を設け、立教大学の建学の精神を伝え、立教で学ぶ意味を問いかけるオリジナルの科目群を用意しています。

英語で議論し、
表現力と論理性を養う

その立教大学は、さらなる進化を目指し、来年度から全学部の学生を対象とした英語教育カリキュラムを刷新します。

大橋英五総長は、「立教はかつて『英語の立教』と評されてきました。その伝統を復活させるため、また、専門分野をより深く学ぶために英語教育を作り直します」と語ります。

狙いは、グローバルな社会で、他者を理解し、自らの考えを発信できる英語力を育むことにあります。

そのため、1年生全員が履修する英語必修科目に、少人数の能力別編成で授業を行うディスカッション、プレゼンテーション、ライティングの3科目を新設します。ディスカッションは1クラス8人規模で、英語教育に熟練した講師が担当し、先生と学生、学生同士が議論することを通して、自分の意見を英語で表現する力を養う科目です。

「少人数制がよいのは当然ですが、そのためには、大きな予算を必要とします。幸い、本学の財政基盤はかつてなく安定しており、少人数制クラスを実現するため大教室を小さな教室へリニューアルするとともに、外国人講師を約50人採用し、準備が整いました」(大橋総長)

プレゼンテーションとライティングの科目も20人規模のクラスとし、英語科目では、授業はいずれも英語で実施します。また、読解力を養い、英語の基本スキルを伸ばす英語eラーニングも必修とし、授業以外でもインターネットを利用してどこにいても学べるシステムで自律した学習を支援します。さらに、来春の新入生が2年生となる2011年からは、2年次から4年次までの言語副専攻制度(3)も導入します。

 

国際性と社会性を併せ持ち、
自ら考え、状況に対応できる
人材を育成

大学の国際化も急ピッチで進行中です。08年に開設した「異文化コミュニケーション学部」はその象徴ですが、そのほか寮を充実させ、留学生数を現在より大幅に増加し、異文化コミュニケーション学部や経営学部国際経営学科で行われている海外留学研修制度を、全学に拡大する計画も進められています。

ほかにも、ボランティア活動などを通じて社会と自分との関わりを見つめ、社会で果たすべき自分の役割を学ぶ「サービスラーニング(4)」の講座も準備中です。

さらに、充実したキャリア教育も立教大学のすぐれた伝統の一つです。「立教キャリアアップセミナー」は合格実績の高い専門学校の講師陣を招請し、学内にいながらにして、割安な費用で語学や資格試験関連の授業が受講可能。また、“マスコミに強い立教”ならではの「立教マスコミ塾」では、毎年100人以上の受講生が楽しみながら切磋琢磨しています。

立教大学は、先にも紹介した通り近年、めまぐるしい大学改革を展開してきました。その原点は、「今、何が必要か」を真摯に分析することにある、と大橋総長は語ります。

「1970年代までの高度成長期の社会では、先輩の背中を追いかけていれば、ほとんどのことはうまくいきました。しかし、国際化と情報化が急速に進んだ今は、それでは変化についていけません。さらに、かつては兄弟姉妹や近所の子供たちと一緒に育つ中で、自然と育まれていた社会性を身につける環境が、今の社会にはなくなっています。そのような状況の中で、教育機関に強く求められているのは、学生に自ら考え、新しいことに対応できる力と社会性を身につけさせることです」

「自分らしく生き、かつ自分のことだけでなく、
社会での役割を考えて」

既存の学問の枠内に収まらない新分野の研究教育領域を切り開き、新学部を誕生させた改革も、授業を少人数制にして、議論や発表を取り入れているのも、さらに英語教育に力を入れるのも、すべては時代が求める教育の先端的なニーズに応えるためだといえます。

大橋総長は、「偏差値で輪切りにされる今の社会で育った学生は、小さな頃から他人と比較されることに慣れています。しかし、他人と比べても仕方ありません。皆さんは他人ではありません。自分の人生を生きることが幸せです。自分のやりたいこと、勉強したいこと、社会の中でどう役割を果たしていけるのかを考え、立教大学での4年間を過ごしてください」と、受験生に語りかけています。

英語教育を再編成し、少人数の能力別クラスで、
能力と目標に応じて、4年間持続的に学べるカリキュラムを実現。
1年次英語必修科目
(1)異文化コミュニケーション学部 「文化の多様性を理解する知識と感性を持ち、多文化共生社会の諸問題に取り組む人材の育成」を目指し、08年に新設。複数の外国語能力と日本語による自己表現と論理的思考力を養成し、言語をめぐる文化現象と言語教育についての学習を追求する。2年次後期には海外留学研修(原則全員参加)を行う。
(2)研究・知財戦略機構 建学の精神が問いかける「人間としての基本的なあり方」を考え、学び、行動へ誘う科目群で、人権、大学、都市、宗教、環境、平和、いのち、ウエルネス(健康)の8つのテーマが企画されている。
(3)言語副専攻制度 1年次に基礎力を培った学生が、「海外の大学で学べる英語力」「国際機関や海外の企業で活躍できる英語力」など、それぞれの実力と将来の目標に応じて学ぶカリキュラム。インディペンデント、インテンシブ、アドバンスト、オナーズの4コースがあり、4年間持続的に英語を学ぶことができる。
(4)サービスラーニング 教室での座学と、社会での奉仕活動を組み合わせ、市民としての責任や社会での役割、地域への貢献を考え、学ぶ体験学習型の授業。欧米では、学校教育に普及している。福祉施設や医療施設、児童施設などへのボランティアや地域活動に参加しながら、社会における自分の役割について考える態度を養う。
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