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「YNUイニシアティヴ」を作成、
組織をマネジメントする人材を育成
鈴木邦雄(すずき・くにお)学長

横浜国立大学は、「実践」を旨として大学改革に取り組んでいます。「組織をマネジメントする能力を持った人材」を卒業生の到達目標に掲げ、学部ごとに教育内容や卒業生の能力保証を明記する「YNUイニシアティヴ」を作成し、今年中に公表する予定です。GPA制度や能力別の英語教育を他大学に先駆けて導入するなど先進的な教育でも知られ、昨年からは大学院を中心に副専攻プログラムが始まりました。今後は学部にも広がります。教養教育も一新し、「男女共同参画社会」「異文化間コミュニケーション」など現代社会を担うリーダーには必須の科目がそろっています。

横浜国立大学(YNU)は4学部に大学院4研究科・学府を擁する総合大学で、建学以来の精神として培ってきた実践性、先進性、開放性、国際性を教育研究の目標としています。

「文明開化が発祥した国際都市・横浜に位置し、全学部・大学院が緑あふれる広大なキャンパスに集約される地の利、グローバルCOEを複数獲得できる先進的な研究力、そして、卒業生のネットワークと産官との連携が、YNUの強みです」と、今春就任した鈴木邦雄・新学長は語っています。

グローバルCOEには、「アジア視点の国際生態リスクマネジメント(1)」(環境情報研究院)と「情報通信による医工融合イノベーション(2)」(工学研究院)の2つの拠点が採択されています。

学際的、先進的な
副専攻プログラムスタート

国立大学ではいち早くGPA制度や英語教育での能力別クラスを取り入れるなど、先進的な教育で知られるYNUは、昨年から副専攻プログラム(3)を導入しました。「環境リスク学国際教育プログラム」「経済・工学金融教育プログラム」「起業家人材養成教育プログラム」「ビジネス・プラクティス・プログラム」など、いずれも先進的かつ学際的なプログラムが9つ用意されています。

「理系の人が経営を考えたり、文系の人が環境問題に取り組むなど、現代社会の課題を解決するには、既存の学問にとらわれない学際的な知識が重要で、課題発見解決型の人材を育てるために、副専攻プログラムをスタートさせました」と、鈴木学長は語っています。

「現在のプログラムの大半は大学院生向けですが、文系と理系の学部・大学院があり、そのすべてがワンキャンパスに集約されている利点を活かし、今後は、学部生も履修できるプログラムも設計していく予定です」

留学生と交流し
国際性を身につける

国際戦略推進室を設置し、大学の国際化にも取り組んでいます。留学生や海外で育った日本人学生が入学しやすいように、昨年からは8月入試、10月入試(プレミアム入試)を実施しています。一般学生に刺激を与え、大学を活性化させるため、プレミアム入試で入学した学生には、ディベートやディスカッション型の授業に参加することを義務づけています。

教養教育の外国語科目は実習と演習に複線化しています。英語実習で一般的な英語力を養成し、英語演習では専門教育と結びついた実践的な英語を学びます。また、留学生のための英語の授業は、日本人学生も履修することができ、上級レベルの英語教育を受けることができます。

教養教育のカリキュラム以外にも、60カ国800人が在籍する外国人留学生の生活をサポートするボランティア活動「105」や、昼休みに留学生と交流する「トークタイム・イン・イングリッシュ」、短期交換留学、海外インターンシップなど、国際性を身につけるためのプログラムも多数用意されています。

アカデミック・トークで
プレゼンテーション能力を養う

語学教育以外の教養教育(4)のカリキュラムも一新しています。現代科目の新設、総合科目の充実などが、新カリキュラムの特色です。

現代科目には「男女共同参画社会」「少子高齢化社会」「ボランティア入門」「異文化間コミュニケーション」「エネルギーと環境」など、現代人に必須のテーマを学ぶ44講座が用意されています。また、総合科目にはアカデミック・トークというユニークな形態の科目が誕生しました。複数の教員による少人数制の科目で、問題解決能力やプレゼンテーション能力を養うことを目的としています。

キャリア教育にも力を注いでいます。特徴的なのは、独自開発した「キャリアデザインファイル」を用いた「協働方式による実践的キャリア教育」です。在学期間を通じ、ファイルに自分の目標や考えたこと、能力開発や学習の足跡を記録しながら、自己実現のための設計力や実行力を培います。また、卒業生や教員などによるキャリア相談、「自己啓発論」「リーダーシップ論」などのキャリア教育科目も充実しています。

卒業生に「管理職として、組織を
マネジメントできる能力」を保証する

横浜国立大学は今年中の発表を目標に、大学での学びの内容と質、卒業生が4年間の学びを通して獲得する能力を学部ごとに策定し、内外に公表する「YNUイニシアティヴ」を準備しています。社会に役立つ「実践」を旨とするYNUとして、卒業後以降には「社会に出て管理職として組織をマネジメントする能力を保証する」内容となる予定です。

「YNUの魅力を知った上で、
ぜひ、学びたいという学生に
トライしてほしい」

鈴木学長は「グローバルな社会に主体的に関わり、自分で意思決定できる、管理職としてマネジメント能力を発揮して社会で活躍しようという意欲のある学生」を求めています。

「横浜という恵まれた場所で、真に勉強を身につけたい人は、ぜひ、トライしてください。偏差値で大学を決めるのではなく、一度キャンパスを見に来て、入学前に横浜国立大学をよく勉強して、本学の魅力を知って上で、ぜひともこの大学で学びたいという学生に入学していただきたいと願っています」

 

 

 

 

 

 

 

GPA制度、能力別英語クラスをいち早く導入した先進性。
大学院を中心に副専攻プログラムスタート。
横浜国立大学のキャリア教育
(1)アジア視点の国際生態リスクマネジメント 環境劣化が著しいアジアにおいて生態リスクの適切な管理に貢献するため、外来生物、生態系サービスなど具体的なリスク管理手法を提示し、農薬・肥料・有害物質管理、バイオマス高度利用、遺伝子操作作物利用など具体的実践的な生態系サービスのリスク管理を促進する。欧州の予防原則と米国の順応的管理が対立するリスク管理の理念・方法を、法規制と自主規制との調和を実践している「アジア視点」から構築するのが特色。
(2)情報通信による 医工融合イノベーション 高度な情報通信技術を医療の分野に活用し、ユビキタス医療社会の構築に寄与する。国際標準化、産業化、法制化の面でも世界をリードしていく。
(3)副専攻プログラム  知識基盤社会が求める統合性・学際性への対応と、学生の要望に応え、所属する専攻(課程・学科)以外の分野を系統的に学べるよう設計されたプログラム。修了用件を満たした学生には、修了証を発行し、成績証明書にも記載される。
(4)教養教育  基礎科目、現代科目、総合科目からなる「教養コア科目」、コンピュータを学ぶ「情報リテラシー科目」、専門科目と連携する「基礎演習科目」、「健康スポーツ科目」、「外国語科目」などからなる。4年間一貫教育を原則とし、学部の専門科目と並行して学べるよう、全学年で履修できる体制を採っている。
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