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世界が認める「研究力」を背景に、
先端的な大学・教育改革を推進
畑博行(はた・ひろゆき)学長

近畿大学は医学部を含め、人文・社会・自然科学領域を幅広くカバーした、西日本屈指の私立総合大学です。世界初となるクロマグロの完全養殖の成功をはじめ、バイオコークスの開発や遺伝子工学分野でのめざましい成果など、その卓抜した「研究力」は世界から注目を集めています。さらに、教育面でも「学生の満足度」を最大課題として、少人数教育やキャンパスの国際化、自校学習など、先端的な大学改革に着手。さらに2010年には、総合大学のスケールメリットを生かして「総合社会学部」を新設するほか、生物理工学部の学科再編など、先進的な学部改革がスタートします。

「実学教育」と「人格の陶冶」を建学精神に掲げる近畿大学は、医学部を含む人文・社会・自然科学領域をカバーした大学・大学院に加え、法科大学院、19の附置研究所および2短大・18併設学校、さらには大規模な3総合病院を擁する、わが国屈指の私立総合大学です。

今日までに43万人を超える人材を輩出し、優れた教育力は高く評価されていますが、未来の食糧危機問題を見据えたプロジェクトとして2002年、水産研究所が世界で初めてクロマグロの完全養殖に成功(1)。文部科学省の「21世紀COEプログラム」選定に続き、08年には世界最高水準の研究・教育拠点を育成する「グローバルCOEプログラム」にも採択されるなど、その卓越した研究力にも大きな注目が集まっています。

“世界初”のプロジェクトに
取り組む、卓越した研究力

近畿大学はこれまで、エネルギーや環境問題にもいち早く取り組んできました。私立大学の中で唯一、原子炉を設置した原子力研究所を擁し、他大学からも学生や研究員が実験・研究に訪れるなど、原子力を利用した教育・研究に重要な役割を果たしてきました。さらに、2008年には北海道に「バイオコークス(2)量産実証実験センター」を開設。石油や石炭などの化石燃料に代わる代替エネルギー開発の新拠点として、大きな期待が寄せられています。

遺伝子工学の世界においても近畿大学の活躍はめざましく、2008年は“伝説の種雄牛”と呼ばれた飛騨牛「安福号」のクローン作製(3)に成功。大きな話題を呼びました。

畑博行学長は、「ホウレンソウの遺伝子を豚に組み込んだ『ホウレンソウ豚』の開発は文科省の21世紀COEプロジェクトに採択されましたが、ほかにもロボットの開発など、本学ならではの優れた研究、ユニークなプロジェクトが多数立ち上がっています」と説明し、次のように続けます。

「世界初、と謳われるような研究に着手するには、経費面などでリスクも大きいわけですが、学内のどのチームが優れた研究を行っているのか情報をしっかり収集し、戦略的に予算を投入して支援しています。こうした中、工学部広島キャンパスの研究プロジェクト『地域連携による次世代自動車技術の研究』が、平成21年度の私立大学戦略的研究基盤形成支援事業に採択されました」

総合大学のメリットを生かした
「総合社会学部」を新設
「生物理工学部」は学科再編へ

近畿大学では先進的な学部改革にも取り組み、2010年4月には、17年ぶりに新学部「総合社会学部」を開設します。

 

 

 

 

「社会学部はすでにいくつもの大学が開設していますが、医学部を擁する総合大学ならではのカリキュラムを展開したい」と語る畑学長の言葉どおり、グローバル化や新ネット社会の登場、格差社会の世界的な拡大、自然環境の異変などに象徴される現代の複雑な問題群に対応するため、「社会・マスメディア系」「心理系」「環境系」の3専攻を開設。心理領域に神経内科の医師にも協力してもらうなど、総合大学のスケールメリットを十分に生かし、人々の心的活動や行動(心理学)、社会システム(社会学)、環境と社会の関係(環境学)という視点の異なる学問を連携させた教育・研究を展開。21世紀の新しい社会システムを構築できる人材を育成します。

一方、生物理工学部も2010年度に学科構成を一新。「人間」「医療」「食」「生活」「環境」「福祉」という現代的な6テーマを設定し、バイオテクノロジーという根幹知識を共有しながら、工学や農学、理学、医学など他分野の学問と組み合わせることで、人類に役立つ新テクノロジーを生み出す6学科へと進化します。

「学生の満足度」を課題に
先進的な大学改革を推進

近畿大学は「21世紀教育改革実施大綱」を策定し、先端的な教育改革に着手しました。大教室による授業を極力抑え、少人数授業への移行と英語教育の充実を推進。教員の意識改革も劇的に進んでいます。

畑学長は、「45年前にハーバードのロースクールに留学したとき、真冬なのにどの研究室も扉が開いていました。理由を尋ねると、教授は『これは我々大学のポリシーだ。学生がいつでも入って来れるように』と答えた。この経験は学長としての私の原点ですね。まずはオフィスアワーの充実。学生と教員の密なコミュニケーション作りに取り組みます」と決意を語っています。

また、教員の自己点検・自己評価の一環として、各学部で授業評価アンケートを実施しています。理工学部の例では、授業のレベルや説明の分かりやすさ、教員の熱意や授業の準備度など12項目にわたり、授業を受ける学生がアンケート項目に答えます。その結果の報告書を開示し、教員相互が授業方法を研究し、授業改善を行っています。

学生の満足度の高い近畿大学の施設として、東大阪キャンパス内にある「英語村E3 [e-cube](4)」があります。英語村は「遊びながら楽しく英語を学ぶ」をコンセプトにした施設で、カフェやバスケットコートなどがあり、ネイティブスタッフが常駐し、英語しか使えないスペースとして、1日平均700人を超える学生が利用しています。さらには、オープンキャンパスなどで、高校生にもすっかりおなじみとなりました。

畑学長は「本学は多彩な学部を擁するぶん、いろんなタイプの学生が全国から集まり、切磋琢磨している“元気のいい”大学です。『学生を大切にする大学』を目指し、『自校学習(5)』にも本格的に取り組んでいます。ぜひ、本学で喜びと誇りに満ちた、充実した学生生活を過ごしてください」と畑学長は熱く語っています。

 

世界初の「クロマグロ完全養殖」成功など、卓抜した研究力。
総合社会学部の新設と生物理工学部の再編に注目。
近畿大学の実学教育を具現化した一例-世界初クロマグロの養殖-
(1)クロマグロの完全養殖 「獲る漁業からつくる漁業へ」を掲げる近畿大学水産研究所は2002年、世界で初めてクロマグロの完全養殖に成功。現在は量産化技術の確立とコスト改善の研究が進められている。地球規模でマグロ資源減少が叫ばれる中、「近大マグロ(R)」の取り組みは世界から注目を集めている。
(2)バイオコークス 植物を原料とする固形燃料のこと。近畿大学は植物性の廃棄物を原料としたバイオコークスの製造技術の開発に成功。製鉄所などで使われる石炭コークスの代替となるなど新しい固形燃料として期待されている。
(3)「安福号」のクローン作製 近畿大学と岐阜県畜産研究所は、2007年から08年にかけ、飛騨牛ブランドの確立に貢献した種雄牛「安福」の精巣から、体細胞クローン牛「望安福」4頭を誕生させることに成功した。同技術は、希少動物や絶滅動物のクローン再生などへの応用でも注目が集まっている。
(4)英語村E3 [e-cube] E3はEnglish 、Enjoyment 、Educationの3つのEを表す。外国人が講師を務めるダンス、ギター、料理、クイズ教室、世界文化講座等を開講。音楽イベントやスピーチコンテスト、スポーツ大会等のイベントも開催。
(5)自校学習 今春、初年度生を対象に全学部で開講。建学の精神・教育の目的を理解するために、近畿大学の歴史や卒業生の社会での活躍ぶりを紹介するなど、興味の喚起に取り組んでいる。
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