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オール神戸大学の力を結集して
安全・安心な地球環境に貢献する
福田秀樹(ふくだ・ひでき)学長

国際都市・神戸に100年の歴史を刻む神戸大学は、「真摯・自由・協同」をキーワードとする「神戸大学ビジョン2015」を公表し、世界トップクラスの総合大学を目標に掲げています。今春就任した福田秀樹新学長は、民間の研究所の出身。「持続可能なグリーンで安全・安心な地球環境を構築」するための研究プロジェクトを、オール神戸の総合力を結集して取り組むフラッグシップ・プロジェクトとして立ち上げました。大学の国際化をより推進するため、10年後には留学生2,500人が学ぶ国際大学に成長することを目指し、英語コースの充実に取り組んでいます。

開放的で国際性豊かな学風で知られる神戸大学は、11学部大学院13研究科を擁する総合大学です。「神戸大学ビジョン2015(1)」を内外に公表し、2015年までに、世界トップクラスの評価を受けることを目標に掲げています。

近年、国際的な評価も急上昇し、英国タイムズ紙の世界大学ランキングでは、4年連続でトップ200入りを果たしました。日本でトップ200に名を連ねているのは10大学だけです。グローバルCOEプログラムにも3件が採択されるなど、研究力の卓越も証明しました。

「神戸大学といえば、地球環境に
取り組む大学と認知されるように」

今春就任した福田秀樹新学長は、化学メーカーで長く研究員を務めた民間出身の学長です。国立大学の学長に民間出身者が就任するのは異例で、その手腕が期待されています。

就任早々に福田新学長が着手したのが、神戸大学の研究者が一丸となって取り組むフラッグシップ・プロジェクト「持続可能なグリーンで安全・安心な地球環境を構築」です。

人類が直面する問題に貢献することはもちろんですが、神戸大学の総合力を一つのプロジェクトに結集し、成果を挙げることで、ブランドイメージを向上させることも狙いです。

福田学長は語ります。「環境をテーマとしたのは、流行や思いつきではなく、学内で実績を残している研究者の研究を調べた結果、『環境・安全・安心』というテーマなら、大半を結集できると考えたからです。総合大学というのは、多種多様な研究をしていて、それが長所ですが、外から見ると、何をやっているのかよく分かりません。大学として一本の旗を立てることで、神戸大学といえば地球環境に全学で取り組む大学だと社会に認識されるようにしたいと考えています」

10年後に、全学生の15%を留学生に

大学の国際化の推進にも積極的です。10年後を目途に、留学生を2,500人とするのを目標に計画を進めています。現在、学部に100人、大学院に900人の留学生が学んでいますが、学部と大学院で留学生の比率が同じになるように受け入れ、学生の15%を留学生とする計画です。

その第一歩として、英語の授業だけで卒業できる英語コースを充実します。また、英語で実施する授業を拡大するため、外国人教員と英語の堪能な日本人教員を積極的に採用していく予定です。

日本人学生の国際教育には、国際コミュニケーションセンターが重要な役割を果たしています。英語力に優れた学生には、パブリックスピーチ、ディベート、アカデミック・ライティングなどの「英語アドバンスト」科目群を提供しています。また、センターにティーチング・アシスタントとして常駐する各国からの留学生と外国語会話のトレーニングができ、留学生と親しくなるきっかけにもなります。

海外留学派遣システムも強化しています。協定校への交換留学、短期語学研修、海外外国語研修、海外インターンシップなど多彩なプログラムで学生の海外留学・研修を積極支援。協定校へ派遣する学生のうち15名程度を選抜し、渡航費用の一部を助成する制度もあります。

学際的な新しい学部と
伝統的学部が融合し
多種多彩な教員・学生が集う

「教育憲章」に人間性、創造性、国際性、専門性の養成が教育の目的と謳う神戸大学は、これまでも先進的な大学改革を続けてきました。

1992年に国際文化学部(2)発達科学部(3)の特色ある学部を開設。2003年には神戸商船大学と統合して海事科学部(4)が誕生しました。いずれも神戸大学特有の学部で、分野融合的・学際的な研究・教育が共通する特色です。伝統的な学部と新学部が融合し、世界72か国・地域の学生が集うのが神戸大学の魅力です。

一昨年には、大学院を再編し、人文学、国際文化学、人間発達環境学、理学、工学、農学、海事科学の計7つの研究科を新設しました。人文・人間科学系大学院では「人文的価値創成の担い手」(人文学)、「国際社会形成の担い手」(国際文化学)、「ヒューマンコミュニティ創成の担い手」(人間発達環境学) を養成します。

学生のキャリア支援にも力を入れています。学内のキャリアセンターと各部局、就職情報関連企業、さらには企業から内定を得ている学生によるボランティア学生就職支援組織などがネットワークを構成し、就職ガイダンスや就職相談、インターンシップなどを実施するユニークなキャリア支援活動を展開しています。

「夢を見つけるために、もがき、
悩むことが大切」

「大学時代に最も大切なのは、基礎力を身につけることと、問題発見能力を養うこと」と、福田学長は力説しています。

「夢ややりたいことは簡単に決まるものではありません。もがくことや、悩むことが大切です。高校や大学で見つからなくても、社会に出て見つかることもあります。そのとき、その夢を実現するには、基礎力が前提です。そのために勉強するのであって、だから、大学生活は大切なのです。大学はプロを育成する場ではありません。基礎と、考え方、問題の問い方を教えます。社会に出て、より求められるのは、問題を解決する能力よりも、問題を発見する力です。大いにもがき、悩んで、その力を身につけてください」

 

 

 

 

 

世界トップクラスを目指す。民間出身学長の発案でフラッグシップ・プロジェクト。
国際化に向け、英語コースを新設・整備。
六甲台本館写真
(1)神戸大学ビジョン2015 「神戸大学は、開放的で国際性に富む固有の文化の下、構成員一人ひとりが『真摯・自由・協同』の精神を共有しつつ、更なる飛躍に向けて、2015年までに『グローバル・エクセレンス』の実現を目指します」とし、世界トップクラスの研究教育機関の実現と、卓越した社会貢献・大学経営を目指す。
(2)国際文化学部 思想、歴史、文学などの人文学系と、社会学、文化人類学、国際政治学などの社会学系学問を融合した新しい学問体系の確立を目指す。民族や国家の対立が激化する時代に、語学力と対話能力に優れ、異文化を理解でき困難な問題に立ち向かう人材を養成するのが教育の目標。
(3)発達科学部 人の生涯と人類の発展の双方を考え、人間らしさとは何か、人間が人間らしくなるための学習や環境とは何かなど、人と人を取り巻く事象を研究の対象とし、地域と連携して、研究・教育に取り組む。
(4)海事科学部 海と船をテーマとし、船舶の技術や海上輸送システム、海洋情報など海にかかわるさまざまな問題に、理工学をベースに社会科学と連携して学際的にアプローチする。
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