メニューへ戻る
身を犠牲にして他者に尽くす
“エリート”を育てる
浅原利正(あさはら・としまさ)学長

創立60周年を迎えた広島大学は、「平和研究教育で世界の指導的役割を果たすこと」と、「アジアのリーディングユニバーシティ」となることを目指しています。学部教育では、4年目を迎えた到達目標型の教育プログラム「HiPROSPECTS(R)」の改善に着手し、教養教育も刷新します。大学院では、平和学や国際政治の分野でダブルディグリー制度がスタート。来春には大学生活をサポートし、学生間の交流を促進する学生プラザがオープンの予定です。浅原利正学長は、「総合大学のメリットを活かして学生の選択肢を増やし、社会に貢献する志の高いエリートを育成する」と話しています。

戦後間もない1949年に被爆地広島に創設され、「自由で平和な一つの大学」を建学の精神とする広島大学は、今春創立60周年を迎えました。11学部・大学院11研究科と法科大学院を擁し、原爆放射線医科学研究所や大学院国際協力研究科など、平和を希求する特色ある研究・教育機関で知られています。

「広島大学スタンダード」で
4年間の学びと、卒業生の質を保証

学部教育では、入学直後に行う少人数の「教養ゼミ」、コミュニケーション能力の育成のための少人数制の外国語教育、入学時からの体系的なキャリア教育と、インターンシップや専門家によるキャリア相談を取り入れた進路選択・就職サポートなどを特色としています。

創立60周年に当たり、浅原学長は「平和研究・教育で世界のリーダーとしての役割を果たすとともに、アジア諸国の発展に寄与できるアジアのリーディングユニバーシティを目指す」と決意を語っています。

広島大学は2006年に到達目標型教育プログラム「HiPROSPECTS(R) (以下HiPRO)」を導入しました。プログラムは、卒業時までに到達する目標を設定して学ぶ「主専攻プログラム」、専門以外の分野を学ぶ「副専攻プログラム(1)」、特定のテーマを学んだり、資格取得を目指して学んだりする「特定プログラム(2)」で構成されています。

最大の特徴は、学部・学科・類・専攻・コースごとに主専攻の学習内容を明示し、明確な到達目標を設定していることです。教員は目標が達成できるように授業をデザインし、学生は到達度を学期ごとに評価されます。主専攻ごとの到達目標が「広島大学スタンダード」と呼ばれるもので、卒業生に求められる学力です。学生に目標を明示するだけでなく、社会に対し学生の能力の基準を明確にすることで、「卒業生の“質”を保証」することも狙いです。

専門分野以外の教養科目や
副専攻プログラムで
複眼的視野を養う

HiPRO導入から4年を迎えた広島大学は、HiPROと教養教育の改善に着手します。

教養教育は、履修科目を減らす一方、一科目の学習時間を増やし専門以外の分野の履修を奨励します。また、学生の要望に応える形で過剰気味となった科目数は整理縮小し、代わりに平和や環境など、大学として学生にぜひ学んでほしい科目を新設します。カリキュラムは、教養科目と専門科目の双方を4年間通して学ぶL字型履修に変更します。

浅原学長は語ります。「教養科目ではなるべく専門と違う分野を履修し、視野を広げて専門科目を学んで欲しいと思います。また、広大に入学したからには、平和について真剣に考える時間を持ち、環境問題に向き合うことで21世紀の社会に貢献できる地球市民としての素養を身につけることを望みます」

HiPROは主専攻と副専攻のカリキュラムのバランスを見直し、より多くの学生が副専攻を履修できるよう改善する予定です。主専攻の成績評価が厳しく、学生に副専攻を履修する余裕がなかった現状を踏まえた改善で、副専攻履修を通して、複眼的視野を養うのが狙いです。

「HiPROは、厳密な成績評価が前提ですが、厳しくしすぎると負担が重くなり、副専攻や課外活動に向かう余裕がなくなります。しかし、評価をおろそかにすると、到達目標が形骸化します。そのバランスをどう取るかが課題で、問題が見つかれば、改善を重ねていきます」(浅原学長)

専門教育では、将来の学部・大学院6年一貫教育の導入を見据え、大学院進学希望者には、学部の枠を超えて、大学院各研究科の授業を履修できるようにしました。

大学院では、ダブルディグリープログラム「地球市民と平和」(3) がスタートしました。韓国・キョンヒ大学、英国・レスター大学などの協定校に1年間留学することで、広島大学と派遣先大学両校の修士号が取得できます。

学生交流の拠点・学生プラザ
来春、オープン

学生生活を充実させる環境整備にも取り組んでいます。フェニックス奨学制度(4)など、経済的支援制度も充実しています。来春には、学生の交流の場となる学生プラザが完成します。学生が自由に使える空間を提供するとともに、キャリア支援や留学支援、健康管理など、学生の大学生活を支援するセクションを集約し、職員を配置する予定です。

「これまで、大学には学部を超えて集える空間は、食堂や大学会館、課外活動の部室しかありませんでした。勢い、サークル活動を別とすれば、学生の交流は学部・学科の狭い範囲に限られていました。学生プラザは、総合大学の利点を活かし、さまざまな分野の学生と諸外国からの留学生、さらには教職員が交流し、相互に刺激を与え合い、大学を活性化させる拠点とする願いから建設することにしました」(浅原学長)

「人材育成が最重要課題」

「広島大学は人材育成を最重要課題とし、21世紀の社会に貢献できるエリートを育てる」と浅原学長は述べています。浅原学長の言うエリートとは「身を犠牲にして、他者のために尽くすことのできる人」です。

「志を持って社会に貢献する人材となるには、明確な目標が必要です。目標がまだ見つからない人は、一緒に見つけましょう。総合大学である本学は、多種多様な選択肢を用意して、志ある学生を待っています」

 

 

 

 

 

平和研究・教育で世界の指導的役割を果たす。
到達目標設定型教育プログラムHiPROSPECTS(R)。フェニックス奨学制度。
HiPROSPECTS(R)の概念図
(1)副専攻プログラム 他の主専攻プログラムの内容を学習できるよう編成したプログラムで、8学部が52プログラムを編成。全学部の学生が履修可能で、希望者は1つを選択して3年次から履修する。
(2)特定プログラム テーマに沿って学ぶプログラムに「国際協力」「情報メディア教育」「英語プロフェッショナル養成」「ドイツ語プロフェッショナル養成」、「臨床総合医科学」「化学と生命」、資格取得を目指すプログラムに「学芸員資格」「社会調査士資格」「社会教育主事基礎資格」「学校図書館司書教諭資格」が用意されている。
(3)ダブルディグリープログラム「地球市民と平和」 INU(国際大学ネットワーク)の加盟校(9カ国10大学)と共同で実施するダブルディグリープログラム。平和、国際関係、開発、人権、民族などの分野を対象とする。今年の派遣先は韓国・キョンヒ大学、英国・レスター大学、オーストラリア・フリンダース大学で、来春にスウェーデン・マルメ大学も加わる予定。
(4)フェニックス奨学制度 学力に優れながら経済的理由により進学困難な学生を対象に、入学料と在学中の授業料全額を免除し、月 額10万円の奨学金を給付。大学院進学の場合は奨学生として継続支援する。学力の基準は、大学入試センター試験の成績が志望学部・学科の同試験配点合計の85%以上であること。
このページのトップへ
メニューへ戻る