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ワールドワイドな教育体制で
世界最高水準の医療人を育成
須田英明(すだ・ひであき)理事(副学長)

東京医科歯科大学は、わが国唯一の医歯学系総合大学院重点大学です。また、国立大学として「教養部」がある唯一の大学でもあります。教養部では世界に通用する医療人を目指し、世界の多様な価値観を理解できる教養と人間力を養います。医学科では米・ハーバード大学での臨床実習への参加を、歯学科では従来の概念を打ち破った「モジュール制」のカリキュラムを導入するなど、多彩で特色ある教育プログラムを構築しています。さらに、盛んな海外研修制度の実施などにより、「人間性」「創造性」「国際性」を備えた、世界で活躍できる医療人を養成しています。

国立大学唯一の教養部で
問題解決能力と人間力を養成

東京医科歯科大学は「幅広い教養を持った感性豊かな人間の養成」「自己問題提起・自己解決型の想像力豊かな人間の養成」「国際感覚と国際競争力に勝れる人間の養成」の3つを教育理念として掲げ、この実現のため、特色ある教育プログラムを実践しています。

その一つが教養部。全国の国立大学で教養部を設置しているのは、東京医科歯科大学だけです。須田英明理事・副学長は、「医療者に求められるのは患者さんを大切にする心です。苦しみや痛みを患者さんと共に分かち合うことができる豊かな人間性が求められています。また、病名は同じでも一人ひとり病状は異なり、自ら問題を解決する能力が問われます」と語り、「ますます先端化・高度化する医療に対処するためには、グローバルな視点で世界を相手に競争することが必要なのです」と指摘します。

学生は医学科、歯学科ともに国府台キャンパス(千葉県市川市)の教養部で2年間学び、世界に通用する医療人となるために専門教育で獲得する知と技に加えて、さまざまな文化や世界を理解できる教養と人間力を養います。

主として専門基礎科目と教養科目を学習しますが、教養科目の中には哲学(「人間とは何か」)や倫理学I(「死」をめぐって)などの科目も用意されています。物理や生物学などを高校で履修しなかった学生のために、入門コースを設けてキャッチアップができるよう配慮するとともに、2年次の前期終了後には自然系科目の学力認定試験を実施し、達成度の低い学生に補強コースを受講させるなど、きめ細かい教育を行っています。また、四大学連合(1)に参加し、さらに幅広い教養を培う機会を提供しています。

ハーバード大学と提携
国際水準の医学教育実施

医学部医学科では、自立性に富んだ行動力と高い水準の問題解決能力を開発できるよう、ハーバード大学との教育提携を通じて、国際水準の医学教育を取り込んでいます。

1、2年次は、週1回、湯島地区で医療人としての基盤を養成するMIC (Medical Introductory Course)(2) が開かれます。3~4年次前期は生体と病気のメカニズムを講義・実習を通じて学び、4年次後期は、プロジェクトセメスターとして自由選択学習に充てられます。5年次以降は臨床実習となり、基本的診察技法を習得。その後、診療参加型臨床実習を通じて診療の一端を担います。

このほか、「問題解決型学習」や「系別総合講義」などの多彩なプログラムにより、リーダーとしてのコミュニケーション能力を高めたり、プレゼンテーション技法や論文作成能力の向上などに努めています。

 

 

 

6年次には、厳しい学内選考を突破した8人前後の学生が3か月間、ハーバード大学医学部で同大の最高学年(4年生)とともに臨床実習で学びます。まさに「国際性豊かな医療人の養成」を象徴するプログラムです。さらに、英・インペリアルカレッジでの研究体験コース(4年次後期)なども用意しています。

「モジュール制」導入で
歯科医療をリードする人材育成

歯学部歯学科では、1・2年次は教養部と歯学科との連携教育を実施。歯学教育の中に人間的な視座を持ち込むことを目的とした「行動科学基礎(3)」をはじめ、医療人としての基本的態度を習得する早期臨床体験実習などを湯島地区で週1回履修します。3年次以降は、「モジュール制」というカリキュラムシステムを導入しています。モジュール制は、従来の専門科目別に細分化された講義・実習ではなく、大きな枠組みの中で、8~12週間でテーマ別のユニット授業を行うというユニークなものです。

論理的思考能力を養い、問題解決の方法を習得するテュートリアル教育(総合課題演習)も行っています。2年次から5年次には学年を超えた選択科目(学年混合選択セミナー)があり、4年次には研究体験実習も行います。そして5年次からは、附属病院で患者さんに接しながら、歯科医療の理論と実際を体得する「包括臨床実習(4)」を実施します。

この包括臨床実習直前には「学生―教員合宿研修」を開催し、1泊2日の校外研修で学生と歯学科教員がともに一つのテーマについて協議します。また、患者対応接遇セミナーを実施しているのをはじめ、スキルスラボラトリー(5)の設備も整備しています。

高齢社会に対応した
「医歯融合」の先端研究

高齢社会の中で、「医」と「歯」の融合はますます重要になっています。例えば誤嚥性肺炎は65歳以上の肺炎患者さんの3分の1を占めていますし、歯周病と糖尿病や骨粗鬆症との関係が指摘されるなど、歯科疾患が全身に及ぼす影響が明らかになってきました。

東京医科歯科大学でも「医歯融合」に努め、医歯境界領域の先端的研究に着手しています。その一つが、グローバルCOEプログラムに採択された「歯と骨の分子疾患科学の国際教育研究拠点」です。世界で最も高齢化の進展する日本で、人が生きるために必須の「歯と骨」の疾患の研究を推進するとともに、次世代を担う若手研究者を育成しようというものです。このほか、「医歯工連携による人間環境医療工学の構築と人材育成」、「硬組織疾患研究プロジェクト」などに取り組んでいます。

須田副学長は、「東京医科歯科大学は、難治疾患研究所や生体材料工学研究所までも備えた医療系の総合大学です。附属病院の患者数も全国有数で、多様な症例に接することができます。恵まれた環境の中で学び、一流の研究者、医療人を目指してください」と若い人にエールを贈っています。

 

医学、歯学の教育・研究のパイオニアとして走り続ける日本でただ一つの医歯系総合大学。
歯学部は国立大学として最古の歴史を誇る。
カリキュラム構成図(歯学部)
(1)四大学連合 一橋大学、東京工業大学、東京外国語大学と共同で設置。学際領域と複合領域における教育の推進を図るため、相互に提供科目を履修することができる。
(2)MIC (Medical Introductory Course) 1, 2年生を対象に医師の職務、医学の将来を概観する課程で、社会性、知識、コミュニケーション能力、問題解決能力の基盤を形成するのが目的。医者患者関係、医学英語、専門医学教育導入の3コース。その歯学科版がDIC( Dental Introductory Course)である。
(3)行動科学基礎 学生が医療人となる前に、コミュニケーションと人間関係を行動の基盤としてとらえ、人間理解について考え、行動し、振り返る機会を持つことが目的。夏休みには学外のさまざまな施設の活動に参加する。
(4)包括臨床実習 5年次後半から卒業まで1年以上の長い期間をかけて、歯学部附属病院であらかじめ了解を得た患者さんを担当し、診断から治療までを行う。学生専用の診療室が設置されており、専門診療外来での各科実習も行われる。
(5)スキルスラボラトリー 東京医科歯科大学にある全国共同利用施設のMDセンターと連携して、基本的臨床技術習得のため、学生が自由に予習・復習を行える医歯学系施設。
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