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人間性豊かな保健医療職業人を育成

首都大学東京健康福祉学部は、活力ある長寿社会の構築に貢献する人間性豊かな保健医療職業人の育成を目標としています。各学科の専門教育は大学院と直結し、高度で専門的な教育を提供しているのが特色です。1年次には他学部の学生と席を並べて、教養教育を学ぶのが総合大学ならではの特徴。各分野で職場のリーダーとなる人材を育成する大学院では、臨床経験豊富な社会人学生と共に学ぶ環境も用意されています。今春からは、英国の大学で学ぶ短期研修プログラムがスタート。チーム医療の担い手を育てるため、他大学と連携して実施する共同セミナーにも参加しています。
総合大学ならではの
超一流の教養教育
首都大学東京の健康福祉学部は、看護、理学療法(1)、作業療法(2)、放射線の4学科から構成されています。総合大学に設置されていることが大きな特徴で、その特色を活かし、1年次には他学部の学生とともに教養教育を学びます。
繁田雅弘学部長は、
「専門職を育成する学部でありながら、総合大学にあるため、他分野の教授陣による高度で幅広い教養教育も提供しています。さまざまな目標を持った他学部の学生との交流も貴重です。交友から、ものの見方や考え方を広げた上で、自分の目指す分野を位置づけることができます」
と説明します。
専門教育の特色は、大学院と直結した高度な専門教育が受けられることです。看護学科は看護知識・技術に加え、在宅医療、地域看護、訪問看護、終末期看護などに対応できるよう、実践力を養います。理学療法学科は、疾病予防やリハビリテーションに取り組める、医学・理学療法の知識と技術を兼ね備えた人材を育成します。作業療法学科では、病気や障害をもつ人の生活支援のための知識・技術を学習します。また、放射線学科では、医用放射線技術、MRI(磁気共鳴画像診断装置)、エコー(超音波診断装置)などの専門家を育成します。
他分野の学生との議論を通して
チーム医療の担い手を育てる
国家試験対策が充実していることは言うまでもありませんが、より高い意識と自覚を持った専門職を育てるプログラムも用意しています。
今春スタートした短期海外研修は、英国の協定校と学生を相互に派遣し合う制度です。春休み期間中にサウサンプトン大学またはセント・ジョージ大学に2週間滞在し、グループワークに参加して、医療の課題や医療連携について英国の学生とディスカッションし、解決法を学習します。毎年数名程度を派遣しています。
英国からの学生は、特別授業で日本の文化と医療の現状を学びます。日本人学生の希望者も、英語で行われる特別授業に参加できます。
共同セミナーは、東京慈恵会医科大学、慶應義塾大学薬学部、聖路加看護大学などと共同で実施しているプログラムです。チーム医療(3)の担い手を育てることが狙いで、全国から医学部、看護学部など医療系大学の学生が約100人参加し、1班8人ほどのグループに分かれ一つの課題に取り組みます。テーマは医療事故や、在宅医療、高齢者医療の課題などで、実例に則して、事故の原因はなにか、どうすれば防ぐことができたかなどを議論し、成果を発表します。
「チーム医療の重要性は強調されていますが、医療現場では、医師の診療に疑問を持っても、看護師や薬剤師、理学療法士など他職種が疑問を指摘しづらい雰囲気があるのも事実で、医療事故の遠因や在宅医療の課題はそこにあります。健全な医療には、医療従事者の職種を超えたコミュニケーションが不可欠で、セミナーには、他分野の学生と議論することで、職種を超えて率直に議論し合うマインドを育てる狙いがあります。また、理想的な医療のあり方を議論することで、専門知識が深まるほど忘れがちな、患者・家族の側に立った視点を再認識する機会にもなります」と繁田学部長は語っています。
臨床経験豊富なベテランと
席を並べる大学院
大学院人間健康科学研究科は、学科に直結する4学域とフロンティアヘルスサイエンス学域、ヘルスプロモーションサイエンス学域の6学域で構成されています。研究科ではそれぞれの職場のリーダーや大学の研究者となる人材を育成します。
看護科学系では地域看護や終末期看護をはじめ、広く専門領域をカバーし、先進的な研究・教育を実施しています。修士課程修了者には専門看護師(4)への道が開けます。
理学療法科学系と作業療法科学系には社会人学生も多数在籍しています。この分野の高度な知識・技術を学べる大学院が少ないためで、臨床経験豊富な理学・作業療法士と一緒に学ぶことができます。
放射線科学系では、領域の最新知見を教授するとともに、高度医療専門病院での先端医療の臨床実習を組み込んだカリキュラムで、実践能力重視の教育を行います。
また、フロンティアヘルスサイエンス系は生命、神経、社会科学などの先端基礎科学的研究を学際的に統合、ヘルスプロモーションサイエンス系は適応、行動、栄養・食品科学の3分野から運動と栄養に関わる学際的・融合的諸問題を探究します。
「社会の中での役割を
意識して学んでほしい」
「従来の延命最優先から『生命・生活の質』が最重要課題となり、チーム医療が重要な役割を果たす現在の保健医療では、各専門職への期待が今まで以上に高まっています」と、保健福祉専門職の重要性を指摘する繁田学部長は、受験生に次のように呼びかけています。
「看護師と作業療法士は、一人の人間として全人的に患者と向き合う比重が大きく、理学療法士と放射線技師は、障害や疾病そのものと緻密に向き合う比重が大きい専門職です。専門の違いをよく理解して、自分の道を選択してください。大学では、将来、社会の中でどんな役割を果たすのか、社会の中での位置づけを考えながら学生生活を送ってほしいと思います」
英国での短期研修制度をスタート。
医療系他大学と連携した共同セミナーで、チーム医療の心を育てる。

(2)作業療法 身体障害、精神障害、発達障害、老年期障害をもつ人を対象に、諸機能の回復、維持、開発を促すため、仕事や遊びなどの作業活動により行う治療、指導。障害者の主体的活動の獲得と社会参加の援助を目的とする。
(3)チーム医療 患者さんを中心に、医師、看護師、理学療法士、作業療法士、栄養士、検査技師などが対等の立場で治療を行うことを理念とする医療のこと。
(4)専門看護師 日本看護協会専門看護師認定試験に合格し、ある特定の専門看護分野において卓越した看護実践能力を有することが認められた看護師のこと。(A)看護師、保健師、助産師のいずれかの免許、(B)大学院修士課程修了者で所定の単位を取得、(C)3年以上の専門看護分野の経験などを含む5年以上の実務経験、で認定審査受験資格が得られる。
