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    マンガやアニメが犯罪学のヒントになる? 【高校生のための「法学」講座 17】

    ニュースで「少年犯罪」や「闇バイト」という言葉を見たとき、「どうしてそんなことをしてしまったんだろう?」と思ったことはありませんか。
    犯罪学は、その「なぜ?」を考える学問です。
     
    ●悪い人を探すのではなく、犯罪や非行が生まれる背景や社会の仕組みに目を向ける。
    ●ルールを暗記するのではなく、現実の社会を読み解く力を身につける。
     
    それが犯罪学です。
     
     
     
     

    『東京卍リベンジャーズ』(和久井健、講談社)という作品を知っていますか?
    不良少年たちの抗争や人間模様を描いたマンガで、アニメ化はもちろん、実写化や舞台化もされるほどの大人気作品です。

    『東京卍リベンジャーズ』では、暴力事件や抗争といった行為そのものだけでなく、なぜ少年たちが非行グループに居場所を見いだしたのか、どのような人間関係や環境が行動に影響を与えたのかが丁寧に描かれています。

    徐々に明かされていく、各キャラクターの背景にある「家庭環境」、「社会からの孤立」、「仲間とのつながり」。

    こういった要素は、「不良/ヤンキー/犯罪者」であるキャラクターたちに、「複雑な過去を持ちながら、それを乗り越えようともがく少年」という新たな視点を提供します。

    だからこそ、私たち読者は、『東京卍リベンジャーズ』のキャラクターに深い魅力を感じているのではないでしょうか。

    実は、この視点こそ、現実の少年犯罪や非行を考えるうえでも重要なのです。

    非行や犯罪の背景にある「物語」を、社会環境や人間関係との関わりから描くことで、キャラクター(非行少年)に対する理解を深める。

    アニメやドラマなどでよく使われるこの手法を、現実の非行少年/犯罪者にも適用する。
    そう考えると、犯罪学は、私たちにとって身近な学問であるといえます。
     

     
    犯罪学は、特別な人のための学問ではありません。
    ニュースを見て「おかしいな」と感じたり、マンガや映画を見て「なんでこうなったんだろう」と考えたりする。その感覚こそが、犯罪学の入口です。

    ところで、『東京卍リベンジャーズ』を語るうえで欠かせないのは、主人公が、かつての恋人や仲間の未来を変えるために、タイムリープを繰り返して過去を「やり直そう」と奮闘する、という作品の構造です。

    この「やり直し」というテーマも、犯罪学が大切にしている更生や社会復帰という考え方と重なります。

    もちろん、現実世界では、タイムリープをして過去を「やり直す」ことはできません。しかし、非行や犯罪の背景を理解することを通して、「同じことを繰り返さないためには、どうすればよいか」を考え、行動に移すことなら、できるはずです。

    そして、そのためには、『東京卍リベンジャーズ』の主人公(あるいは読者である私たち)が、タイムリープを繰り返しながら、不良仲間の背景事情に対する理解を深めていったのと同じように、非行少年に対する理解を深める作業が必要不可欠です。

    このように、犯罪学は、非行少年の「やり直し」に関する検討材料を提供してくれる学問でもあるのです。

    『東京卍リベンジャーズ』以外にも、そして、犯罪学以外にも、法学部での学びの入口はたくさんあります。
    あなたがお気に入り登録している映画、アプリで読んでいるマンガも、法学部への学びにつながっているかもしれませんね。