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    学力担保に危機感・・・変わるAO・推薦入試

     AO・推薦入試は、受験生の能力や適性を学力だけではない多様な観点から総合的に判断する入試として定着している。一般入試受験者が2月、3月まで受験勉強を続けるのに対し、AO・推薦入試は、早めに大学合格を勝ちとることができるのがメリットだ。
     文部科学省は23年度入試からAO・推薦入試に学力検査や調査書などを取り入れ、学力を把握するように各大学へ通達した。入学前の学力よりも入学後の学習意欲を重視するAO入試は、方向転換を迫られている。
     13年度AO入試の変更点を見ると、国公立大や難関私立大では廃止や縮小化も目立つ。
     国公立大で新たにAO入試を導入するのは、大阪大、高知工科大などごく少数だ。山口県立大が全学部で廃止するほか、北海道大、筑波大、東京海洋大、福井大、静岡大、神戸大、岡山大、九州大、横浜市立大などが実施学科・学群や募集人数を減らす。これらの多くがセンター試験を課さないAO入試だった。大阪大理学部が導入する「研究奨励AO入試」は、自由研究で優れた実績を挙げた生徒を対象とするもの。提出書類の審査と研究内容を問う選考の後に、センター試験の指定科目で75%以上得点することが合格の条件となる。
     私立大では、東京女子大が全学部で廃止、芝浦工業大、日本大、立命館大、甲南大などが実施学部・学科や方式を減らす。実施学科・専攻などを拡大するのは、女子栄養大、麗澤大、東洋大などだ。関西学院大は、経済学部で「英語能力重視型」AOを導入する。早稲田大は国際教養学部で選考方法を変更し、面接を廃止して、英語能力に関する試験結果の提出を必須とする。
     難関大のAO入試は規模縮小が続き、出願資格のハードルが高く、限られた生徒しか出願できない方式が増えている。
     一方、難関大以外では意欲・適性やマッチングで判定する従来型のAO入試が主流だ。13年度入試で回数増や新方式を導入する大学も多い。合格から入学までの間に登校日を設けて講義を受けさせるなど、生徒の学習意欲を持続させる工夫も行われている。AO入試は、意欲を評価して入学を認めた生徒の素質をどう伸ばしていくのか、大学の教育力が問われる入試方式と言える。